まだ零下前後の寒い朝もありますが

日中は だいぶん暖かくなって 春を身近に感じられるようになってきました

梅も ほころび始めたようです

 

我が家の作品は すべて 夫の手で作られています

家人のわたしはと言いますと 主に 水拭き担当です

先ず 私の最初の仕事は 器の中を さらし布で 拭く作業です

夫は ろくろを挽くときには 手と木のヘラを使って 形を生み出しますので

中には 木のヘラの跡がつきます

その中を きれいに さらしの布で拭かなければなりません

これは 乾燥が少し進んだ 酒杯の中身を拭き終わったところです

 

削りが入る前なので このように 厚みがあり

しっかり 左手でつかんで 布を持った右手で拭くことができます

 

今度は 削りが終わって きれいに仕上げられた生地を

拭かなけれなりません

夫は 出来るだけ 薄く 軽く 削りを入れていきます

これは 輪花の縁取りの小鉢です

このように とっても薄く 彫の部分も繊細に 仕上がっています

 

これを拭きあげると あとは 素焼きの窯に入れるばかりの工程部分で

ここで 私が失敗すると これまでの仕事が 無駄になってしまいます

 

先ず ひっくり返して 高台の内側と外側を丁寧に拭いていきます

そして 外側の側面へと 手を移動させていきます

外側が終わったら 再び ひっくり返して

今度は 薄く削られた 縁取りと 中身を拭く作業です

手作りなので 一枚 一枚 微妙に 厚みも違い 難しいところです

 

薄い縁取り部分を 水を含んださらしで拭くのは ちょっと 大変です

水を含みすぎると ポロっと 割れてしまったり・・

 

拭いたばかりの高台は 水で 柔らかくなっています

その高台を左手で 軽く持ちながら 右手で 作業を進めるのですが

嫁いで 間もなくの慣れない頃は 右手の作業に気を取られ

無意識に左手に力が入って 何個も 何個も ダメにしてしまったり

注文の2割増しの数を作っているのですが

それでも足りなくて また 作ってもらったことも・・

 

そんな私も 水拭き歴 まもなく30年

時々 アラっ‼ という事もありますが

その数は ずいぶん 少なくなってきました